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第19章 月に叢雲花に風

「俺・・・伊織と・・・ってか彼女とイチャイチャしたいんですよ」

恥を偲んで打ちあけた

「なになに？恋愛相談？どんとこい！！」

信さんの余裕さに騙されたよ
恥ずかしい俺の思春期の悩みを相談したのに・・・

（どうすればキス以上の関係になれるんですか？）
（どうすれば・・・その・・・エッチ出来たり・・・するんですか？）

ってさ？

そしたさ？
真っ赤になって・・・俯いて・・・しどろもどろで・・・目はウロウロ

（やべ。相談相手間違った）

速攻で思ったよ

信さんって童貞？
かとも思ったけども・・・

「もしかして・・・信さんも・・・どうて？」

「な！！訳あるか！！ちょっと前に捨てたわ！！」

ちょっと前？
俺より長くね？
って思ってたらさ？

「・・・な、な、な！！そっち系の悩みなん？」

真っ赤になった信さんに対して真っ赤になって頷いた

「俺・・・片思いで・・・やっと彼女になってくれて・・・」

「俺も片思い歴長いけどな！！」

自慢げに信さんが言うから・・・

「それ、自慢できる事ですか？」

って・・・思わず訊ねた

「叶わなかったけどな！！」

・・・すっげ・・・
ポジティブ
笑っちまって・・・

「んじゃ・・・どうやって童貞、バイバイしたんですか？」

「そりゃ・・・お前・・・彼女が出来て好きになって・・・」

「好きになって？」

「片思いが一息ついてさ？俺の事が好きだって言ってくれた彼女が居たんだよ。ってか現在進行形！！・・・大事にしたいなって・・・そんで・・・今も大事にしてる真っ最中！！！」

信さんのお惚気に俺は・・・俺達は真っ赤になった
だって・・・
滅茶苦茶に良い顔すんだもん
滅茶苦茶に笑うんだもん
そしたらさ？
片思い云々でさ？
現在の彼女ラブでさ？
俺の悩みとかも・・・聞いてくれるかも・・・ってさ？
思うじゃん？

思ったんだよ！！
だから多田の前だけど！！
恥ずかしかったけど！！
打ちあけたんだよ！！
俺の悩み！！

クシャって笑う顔
ヘニャって笑う顔
が、なんか・・・彼女を大事にしてる感？っての？
この人だったら理解ってくれるって思ったのに・・・

思ったんだけど・・・
思ったから正直に俺の悩みを打ち明けた

「キス・・・以上の事・・・したくて堪りません。どうしたらいいですか？」

ってな！！

恥を偲んでだよ！！
悪いか！！