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第26章 運命は・・・先着順？

せっかく…男から逃れた


その足でマリアは


男二人ともみくちゃになって
乱闘してる俺の元に


走って来やがった・・・





『ゆぅちゃんをはなしてよ！！！

はなして！！～はなせっ！ばかぁっ！！』





大の男に…敵うワケがねぇのに




マリアはなりふり構わず
男のデカイ背中に飛びついて
食って掛かって…噛みついて




『っマリア！？なにしてんだよ！逃げろ！』




俺の言葉さえも聞かず
マリアはがむしゃらに
男の背中や腕を叩き続ける


そんなことを続ければ
当然限界もくれば…あるいは




「いてぇな！この女ぁっ！？すっこんでろ！」







パシッ…





『っ…ｷｬｧっ』





ｽﾞｼｬっ…





男が払い除けるように
マリアをひっぱたいて突き飛ばした





『てぇ…めぇ～～っ…』





地面に転んだマリアを見て
当然、俺は頭に一気に血が昇る





『っざけんなよ！このハゲっっ！！？』






ゴツッ





手足が出ない俺はソイツに…

そのクソったれのハゲに
力任せに頭突きを食らわせて

後ろで羽交い締めしているサトウも
力任せに振り払った



ゴツっ…





あ・・・


裏拳…クリーンヒットはマズイ？



いや…知ったこっちゃねぇぜ







『マリア！？大丈夫かっ！？』



マリアの手を引いて
必死に起こす





「このぉ…ガキがぁ～～っ…」




ハゲもサトウってヤツも
ゾンビみてぇにすぐに蘇っちまうし…

すぐそばには運転手の
クマみてぇな男…




とにかくマリアの手を引いて
必死に走るが


俺はすぐにその手をはなして
マリアの背を押した





『っ…ゆぅちゃん？！』





万事休す・・・？



ははっ


冗談じゃねぇけどな？





でも・・・さすがにこの状況？




３対１じゃ・・・中々に



メチャメチャに不利だぜ？






ったくよぉ

こんなド修羅場みてぇなこと

あと何回乗りきればいいんだよ俺らはさ？

どーなってんだよ俺らの行く手はよ…





現実は…いつだってこうだった

肝心な時に…とんだことが起こる

慣れちまった？そうかもな…



だからこそ…そんな時は


その中で最善を…探すんだ



『マリア…行け』