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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第26章 運命は・・・先着順?
シ・・・ン



少しの沈黙が流れた



冷静になんか…ちっともなれない



だけど感じていたし、わかっていた




偶然に起きた事ではない

故意に・・・仕組まれて

どこかで〃別の力〃がはたらいてる



何かが起こっている・・・

そういう状況だってことだけは

わかっていた



もっと言えば

その〃根源〃なんて・・・言わずとも

知れたことだ







『調査会社?…今時そんなさ…
胡散臭い名乗り挙げたヤツに

ハイわかりました~なんて
くっついてく女がどこにいんだよ?!

それもこんな時代にな…
アホかっつーの!』





「我々は依頼を受けていますので」





サトウとか名乗る輩は
眉ひとつ動かさずに
平然として食い下がってきた






「橘さん?…ご同行願えますか?」




『・・・っ』



マリアは…マリアもその根源を
〃わかってる〃って感じに

それ故に怯えながら
俺にしがみついて
必死に頭を振って拒否していた





『嫌がってんだろうが!!
調査会社とか言ったか?

そんなモンになぁ!他人の行動を
制限する権限なんかねぇだろうが!?

話になんねぇぜ?!
とっとと失せな!!』






「橘さん?…随分捜しましたよ
さぁ・・・行きましょう」





こんのヤロ…しまいには
シカトこいて

マリアをなだめてます~風に
説得みてぇなこと始めやがった





『か…かえって…下さい。お願いします』





「橘さん…我々も仕事ですので、ご理解下さい」







もはや話になんねぇ





『マリア・・・警察呼べ』


俺はマリアに自分のスマホを
無理矢理に握らせた




ピクリ…



サトウってヤツの眉が
初めて動いた



〃やはり・・・〃





言ってしまえば近くにあるであろう
交番にでも必死に駆け込む方が早いが
俺は敢えて警察って言葉を出した




調査会社…本当の所はわかんねぇが


ちゃんとした(?)いわゆる興信所とか
探偵とか…そういうのであってもなくても


今ってかなり問題になってるらしいから

プライバシーの侵害
下手すると犯罪者に加担してた
なんてオチとか

言わば違法だらけの事を
生業(なりわい)にしてる
そんなヤツらなら

自ら名乗りをあげるなんて
それだけで既におかしい
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