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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第22章 盗人の意見・・・
『っケホッ…ケホッ…ハァっ…ハァっ』


マリアは這うように寝室を出て
リビングに走った




所詮は家の中…
中断させられ腹を立てたであろうカズキは

それでも余裕ありきで、ゆっくりと
それでいて確実に

マリアの後をじわじわと
追って来た






ガチャ・・・



ピ・ポ・パ…



『~~っ』



リビングに走ったマリアは
自宅電話の受話器をとって
慌ててダイヤルを押した


自由に動かせない両手で
受話器を耳に当てる



*「事件ですか?事故ですか?」*


迅速に聞いてくるのは
通報先のオペレーター





『たすけ・・・て』


*「もしもし?…どうしましたか?!」*




『ころされる・・・っ』








殺された方が楽…


死んだ方がマシ…



マリア自身、これまでにも
カズキとの夫婦生活で

そんなことを思うことは
幾度となくあった




しかしこれは…本能と言うものだ




マリアは自ら一度も
助けを求めた事のない警察に
通報していた





『!?・・・ッチ』




受話器を持つマリアを見たカズキが
急に速足で駆け寄り
瞬時にマリアから受話器を取り上げた





*「もしもし?!…落ち着いて下さい!
お名前を・・・」*





ガチャン・・・っ








カズキは即座に電話を切り
ブチブチと力任せに
電話の配線を引きちぎった




ガタゴトっ…ガシャン




カズキがそのまま電話機を
床にひっくり返す




『・・・』


『ぁ…ぁ・・・』




小鹿のように脚が震えているマリアに
容赦なくにじり寄り
マリアを縛っているベルトを掴んだ





バチン…っ






力加減もしない手が
マリアの頬を殴打した




パァン…っ…バシっ…バシっ




ガツっ・・・ドカっ






『っ・・・ゲホっ…ぅっ…』




カズキはマリアの両手…

ベルトをつかみ上げたまま

立てなくなるまで

マリアを殴り、お腹を蹴り暴行した





『立て……』


『・・・』





床に倒れるマリアを
立たせて

食卓テーブルに
両手を着かせた



『ほら…もっとケツ出せ』

『・・・』
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