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かごのとり ~ 家出娘の家庭事情 ~
第22章 盗人の意見・・・
『お前の守ってる約束は…?

何を〃守る〃ための約束なのやら…』



じわりじわり…マリアを追い詰めるように
捻りあげた手を上に引っ張り
カズキはマリアをすごむ




『当たり前に考えろ?
常識に反したのはお前とあの男だ…

それを反省し、償うのは
当然だろう?

そのための機会を…
俺が、お前とあの下衆男に
〃与えてやった〃って話だろう?』





間違ってはいない…事実
その事に関してのみ言うなら

反論は出来ないのだ

マリアはあっという間に
成す術をなくす





『~~うっ…』






『なのに…まりあは
毎日…反省して償いの意を込めて
いる訳でもなく

大人しく慎ましくしてるかと
思いきや?

未練がましく…浮気相手の保身に
走っているって言うんだな?』






『そんなんじゃ……っ…』






『……ちっとも反省の色が見えないな』






『・・・っ!?』







グリっ…と

カズキがマリアの手をひねって下ろし
そのまま手を引いた










バン・・・




ドサ…ッ





『…っ』




寝室を開けるなり
マリアをベットに突き飛ばす






『フゥ・・・お前は』



『カズキっ…!?』




ガチャガチャ…シュル・・・





カズキが着替えでもするように
ベルトやネクタイを外しながら
マリアににじり寄る





『…まだまだ、当面…家からは出せないな』





ギシ・・・






『・・・っ…カズ…き…っ』






『お前に…自分の立場をわからせてやる』







『~~っ・・・』



〃やめて…〃




そう言いかけてマリアは留まった



逃れられないことがわかっていたから








ギュ……ギシっ





『やっ・・・なにするの…っ!?』




カズキは
横を向いて目を閉じたマリアの
両手を突如押さえて
外したベルトで括って縛り上げた




マリアが目を開けると
震え上がる程冷たい目をしたカズキが

ドロドロと…濁った目付きで
マリアに跨がっていた




ドロドロした目・・・それはまるで

嫉妬に満ちたような

深く…色濃く、染み込むような目付きで









『・・・許さないからな』










その本心が

生の声になる
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