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第22章 盗人の意見・・・

【数日前】




『なに・・・なんなのこれ…？！』





家を掃除していたマリアの目が
カズキの机に紛れて置いてあった
書類に釘付けになる







〃『シノミヤ ユウト』・・・〃





『・・・・・・』









〃『篠宮 優人』・・・!?〃






飛び込んでくる名前に
マリアが硬直して
書類をわしづかみにした





バサバサっ・・・バサっ





〃「調査書」…って？なに…！？〃




探偵だか、いわゆる興信所だとか…
出所はそんな所と見れる

勤め先から実家から…情報という情報が
ズラリズラリと並んだその書類を手に

マリアの顔面は蒼白して
血の気が引ききっていた



〃どういうこと・・・！？〃















『ただいま』


『・・・』




いつになく余裕もない
作り笑いさえ出来ないマリアが
カズキを迎えた






『カズキ…』

『風呂・・・』




荷物をマリアに押し付けて
カズキは浴室に行こうとする






『カズキ…聞きたいことがあるの』







『・・・。なら先にメシにする』




一々、時を惜しむように
カズキは冷たくマリアの前を
通りすぎてキッチンに向かう







『これ・・・どういうこと？』





マリアは感情を必死にこらえて
カズキの前に調査書を差し出した






『・・・。机のものに触るなと言ってるだろ』







『それは…謝ります。だから…答えて』







『どういうこと…って？』








飄々としているカズキの様子に
マリアはますます余裕がなくなっていく






『どうして…わざわざこんなもの』





『…当然だろう？得体の知れない…
人の嫁にコソコソと手を出すような輩を
そのまま野放しにできるか
どこの誰か今度の為にちゃんと知る必要が…』




『っ…それなら、あの時に
本人から聞いたんでしょう？！
今さら何のために・・・っ』










抑えようにも抑えられない
マリアの感情が涌き出てくるその様子に
カズキが密かにニヤリと笑った