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終止符.
第14章 想い

純は両手で丁寧にブラウスのボタンを外し、奈緒を抱えるようにして肩から下にずらして脱がせた。
同じ姿勢のままスカートのファスナーを下ろし、奈緒の腰を浮かせて膝まで下ろし、またソファーに寄りかからせてからそっと足元から外した。
一息ついた純は目の前の奈緒を見つめた。
ふっくらとした胸元をレースで飾るキャミソール、裾から覗くショーツ、斜めにそろえた脚を覆う太股丈のストッキング、無防備な横顔、少し開いた唇、白い首筋、細い肩…
壊してしまいたい。
純は奈緒を抱き上げた。
「やっぱり痩せた。」
純の声が聞こえたのか、奈緒が少し首を動かして 気だるそうに目を開けた。
「………」
「………」
何度か瞬きを繰り返した奈緒は純に抱きかかえられている事にようやく気付き、息を呑んで身を硬くした。
「純…」
「奈緒さん、今ベッドに下ろしますから暴れないで下さい。」
純は足で薄い掛布団を捲り上げ、そこに奈緒を横たえた。
「えっ… 私…」
自分が服を着ていない事に気付いた奈緒は慌てて起き上がり、掛布団で身を隠した。
「あの、奈緒さんが水を溢しちゃったから、僕が脱がせたんです。」
「嘘…」
「ホントです、覚えてないんですか?」
純は濡れたブラウスを持ってきて奈緒に見せた。
「飲み過ぎですよ、可愛かったけど。」
「覚えてないわ…まだフラフラする。」
「タクシーで帰って来たんですよ。」
「ごめんなさい。すぐに タクシー代を…」
奈緒は下着姿だった事を忘れてそのまま立ち上がり、アッ、とふらついて純に抱きとめられた。
「やだ、ごめんなさい、まだ酔っ払って…」
純と目が合った。
胸の奥を何かに鷲掴みにされたような痛みが走る。
「………」
純の胸を押し、熱い目を見つめながら、懇願するように何度も首を横に振った。
「わかってます。僕じゃだめなんでしょう? 」
「ちが…」
「いつですか? いつになったら僕を…」
「──ッ!」
純は奈緒を押し倒し、その細い肩と背中に手を回して強く抱きしめた。
「は、離して…」
「イヤだ。」
「純…」
「もう、誰のものにもならないで…」
奈緒は震えていた。
「あなたが好きなんです。」
怖くて、切なくて震えていた。
初めて男を知った夜のように。
初めて恋をした時のように。
同じ姿勢のままスカートのファスナーを下ろし、奈緒の腰を浮かせて膝まで下ろし、またソファーに寄りかからせてからそっと足元から外した。
一息ついた純は目の前の奈緒を見つめた。
ふっくらとした胸元をレースで飾るキャミソール、裾から覗くショーツ、斜めにそろえた脚を覆う太股丈のストッキング、無防備な横顔、少し開いた唇、白い首筋、細い肩…
壊してしまいたい。
純は奈緒を抱き上げた。
「やっぱり痩せた。」
純の声が聞こえたのか、奈緒が少し首を動かして 気だるそうに目を開けた。
「………」
「………」
何度か瞬きを繰り返した奈緒は純に抱きかかえられている事にようやく気付き、息を呑んで身を硬くした。
「純…」
「奈緒さん、今ベッドに下ろしますから暴れないで下さい。」
純は足で薄い掛布団を捲り上げ、そこに奈緒を横たえた。
「えっ… 私…」
自分が服を着ていない事に気付いた奈緒は慌てて起き上がり、掛布団で身を隠した。
「あの、奈緒さんが水を溢しちゃったから、僕が脱がせたんです。」
「嘘…」
「ホントです、覚えてないんですか?」
純は濡れたブラウスを持ってきて奈緒に見せた。
「飲み過ぎですよ、可愛かったけど。」
「覚えてないわ…まだフラフラする。」
「タクシーで帰って来たんですよ。」
「ごめんなさい。すぐに タクシー代を…」
奈緒は下着姿だった事を忘れてそのまま立ち上がり、アッ、とふらついて純に抱きとめられた。
「やだ、ごめんなさい、まだ酔っ払って…」
純と目が合った。
胸の奥を何かに鷲掴みにされたような痛みが走る。
「………」
純の胸を押し、熱い目を見つめながら、懇願するように何度も首を横に振った。
「わかってます。僕じゃだめなんでしょう? 」
「ちが…」
「いつですか? いつになったら僕を…」
「──ッ!」
純は奈緒を押し倒し、その細い肩と背中に手を回して強く抱きしめた。
「は、離して…」
「イヤだ。」
「純…」
「もう、誰のものにもならないで…」
奈緒は震えていた。
「あなたが好きなんです。」
怖くて、切なくて震えていた。
初めて男を知った夜のように。
初めて恋をした時のように。

