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遠い日の約束。
第2章 動き出し運命

彼の家から私の家まではそれほど遠くないことが分かった。
電車で揺られながらこれからの事を考えていた。
昨日は何もなく事なきを終えた。
だけど、これからは…冬が終わるまでは何もない保証もなかった。
「冬って…いつまでだろう」
漠然とそんなことを思ってしまった。
そんなことを思っていると降りる駅に着き、家までの道のりをぼんやりと歩いて行く。
まだ何も咲いていない桜並木を寂しく歩いていると白い4回建てのマンションが見えてきた。
エントランスの横の植え込みに座っている人に目が止まる。
冬の寒空の中、手をすり合わせながら身体を小さくして待っていたのは春馬だった。
驚きながら近づく私に気がつき、パッと華やいだ笑顔を向けた。
そして一瞬にしてその笑顔が消えたのはなぜだろう
「華。寒いから早く中に入れて」
またいつもの春馬に戻って私の手を握りしめた。
いつから待っていてくれたのか、その手は氷より冷たく感じた。
もうふたりっきりでは会わないと決めた。
家にもあげないと決めた。
なのに私は簡単に春馬を家にあげてしまった。
玄関を開けて中に入るなり、春馬は私を後ろから強く抱きしめる。
その身体からは温もりが伝わってこない。
それ程までに彼の身体は冷え切っていた。
「待って…とりあえず中に入ろう…風邪ひいちゃうよ」
「ダメ…離れたくない」
「うん…エアコン入れたら抱きしめてあげるから…中に入ろう?」
電車で揺られながらこれからの事を考えていた。
昨日は何もなく事なきを終えた。
だけど、これからは…冬が終わるまでは何もない保証もなかった。
「冬って…いつまでだろう」
漠然とそんなことを思ってしまった。
そんなことを思っていると降りる駅に着き、家までの道のりをぼんやりと歩いて行く。
まだ何も咲いていない桜並木を寂しく歩いていると白い4回建てのマンションが見えてきた。
エントランスの横の植え込みに座っている人に目が止まる。
冬の寒空の中、手をすり合わせながら身体を小さくして待っていたのは春馬だった。
驚きながら近づく私に気がつき、パッと華やいだ笑顔を向けた。
そして一瞬にしてその笑顔が消えたのはなぜだろう
「華。寒いから早く中に入れて」
またいつもの春馬に戻って私の手を握りしめた。
いつから待っていてくれたのか、その手は氷より冷たく感じた。
もうふたりっきりでは会わないと決めた。
家にもあげないと決めた。
なのに私は簡単に春馬を家にあげてしまった。
玄関を開けて中に入るなり、春馬は私を後ろから強く抱きしめる。
その身体からは温もりが伝わってこない。
それ程までに彼の身体は冷え切っていた。
「待って…とりあえず中に入ろう…風邪ひいちゃうよ」
「ダメ…離れたくない」
「うん…エアコン入れたら抱きしめてあげるから…中に入ろう?」

