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第13章 混在する記憶

イキたくない私はやめてほしいと口にする。
だけど止めてくれるはずもない。
分かっていても言わずにはいられない。

「たかっ…アッ…高宮…くん…やめてっ…」

カチャカチャと手錠の音が響き始める。
執拗に花芽ばかり責められ身体はイキたがる。
だけど高宮くんの舌でイカされるのが嫌で、その波から逃げるかのように動かないと分かっている手を引っ張る。
手の痛みなんてどうでもいい。
この場から逃げられるのなら、この手ぐらい切り落としてしまいたい。

「ヤッ…アッ…やめっ…やめっ…」

身体の反応と喘ぐ声に、高宮くんの舌の動きが速さを増す。
もう無理だと、贖うことなどできないと、今はいない俊樹の名前を呼ぶ。

「ごっ…ごめん…アッ…ンッ…俊樹ッ…ごめっ…」

最後の波が押し寄せて来るのを感じながらイッてしまう自分を嘆いた。




「ア゛ア゛ア゛ア゛ッ――――――――――！！！」




だけど、次に襲ってきたのは快楽ではなく、悶絶するほどの痛みだった。
噛まれた花芽は、全ての神経がそこに集まったかのようにジンジンとして熱を帯びていくのが分かる。
甘噛みみたいな優しいものじゃない。
本気で噛みつき彼の怒りを肌で感じた。

「むかつくね。俺との最中に他の男の名前呼ぶなんてさ。」

「ア゛ア゛ア゛ア゛ッ――――――――――！！！」