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身代わりの王妃~おさな妻~続・後宮悲歌【후궁 비가】
第5章 第一話【桜草】 別離という選択

ユンの表情は髪を弄んでいたときと異なり、厳しささえ滲ませている。明姫の心にふと一抹の翳りが落ちた。
「そなたの身元のことだ」
「私の身元ですか?」
「それについて、私は明姫に詫びねばならない」
「何故、殿下が私に?」
純粋に不思議だと思った。自分の身元とユンとどういう関係があって、彼が謝るようなことがあるのだろう。
ユンが眼を細め、また明姫の髪を撫で始めた。何故かユンはしばしば、明姫をこんな眼で見つめる。以前から気づいてはいたけれど、まるで眩しい太陽でも見るときのように眼を細めるのだ。
「そなたの身元のことだ」
「私の身元ですか?」
「それについて、私は明姫に詫びねばならない」
「何故、殿下が私に?」
純粋に不思議だと思った。自分の身元とユンとどういう関係があって、彼が謝るようなことがあるのだろう。
ユンが眼を細め、また明姫の髪を撫で始めた。何故かユンはしばしば、明姫をこんな眼で見つめる。以前から気づいてはいたけれど、まるで眩しい太陽でも見るときのように眼を細めるのだ。

