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***堕散る(おちる)***
第39章 step39 三十三段目 屋上へ
「そりゃそうなるな。」
「そして神様は二人の間に渡れない川を作って会えなくしてしまいました。
それが天の川です。」
「ほう。」
「ただ、年に一度、7月7日の七夕の日にだけ、川の水を減らし、二人が会うことを許しました。
それが七夕の由来だということです。」
「ふうん年に一度だけか…可哀想だな、ルリはそんなの堪えられるか?」
「嫌ですね。」
「川を渡ったきり帰らなきゃいいんじゃないのか?」
「ふふっ…そうですね。」
「俺は…ルリを…絶対に…離さないから…な…」
「ん…ハルト?」
すぅすぅとハルトの寝息が聞こえる。
子どもみたい。
ハルトの胸に顔を押し付けて、ハルトの香りを胸いっぱいに吸った。
そしてワタシも眠りに落ちていった。
獣の鳴き声がする。
ここは…どこだ?
真っ暗なところから出ると、テレビが点いていた。
音を大きくしてるのに、俺の耳は隣の部屋の音を拾う。
ああ、獣は母さん達の声か…
俺は毛布を被ってテレビを見た。それほどにしても、音声は聞こえない。
男たちが母を詰る声と、母が尻を叩かれる音がする。
母さん…嫌ならやめろよ。
っああ…いいっ…もっと突いてぇ…

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