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伝わらない想い
第7章 素直な気持ち
「出来てません」
彼女の質問に一言だけ返してカウンターの中に戻る。

なんで。
どうして。

知りたいことは山程あった。

「で、どういうことだよ」
純の声が聞こえる。


私も一緒に聞きたい。

...どういうこと?...


でも、私は仕事中。
目の前の作業に無理矢理集中しようとする。

けど、意識は勝手に4人の方に集まってしまって。

「...昨日..........で、..............でさ、.............」

断片的に声が聞こえてくるだけで内容は全く分からなかった。


ね、...もう一度その人とやりなおすの?

いつまでも想いを伝えずにいる自分が悪いことはわかってる。

だから、いつまでも変わらない関係のままなんだってことも。

でも、この想いを伝えたら壊れてしまう。

きっと陸は困ってしまう。

想っても伝わらない想いもある。

私のこの想いは?

伝わる想い?伝わらない想い?

...。

無理矢理蓋をしていた想いが溢れ出しそうで苦しい。

洗い物をする手に水とは違う雫がぽとっぽとっと落ちて流れた。
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