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第11章 美波と調教師１

遺跡と言っても、建物自体は今だに使われ、遺物も厳重に管理されている。


あの遺物を守護するのもCross sels(ｸﾛｽｼｰﾙｽﾞ)の本質の１つ。
いや、あれを守る為にCross selsは結成された。



「では賢人達に伝えて下さい‥
・・・適合者を見付け出した‥‥と・・・」


『なんと！
とうとう適合者が！？』


驚くのも無理も無い。
ずっと長きの間、私に合う適合者は居なかったのだから。



「個人データーを送信します‥
今のところ、私が保護しているので心配はありませんがね」


端末から１つのデーターを転送。
勿論データー内容は、美波のパーソナルデーター。



『・・・
八神美波、この女性か‥‥
そして今、櫻澤の元に居ると・・・』


「２ヶ月の契約でしたらクリアーしますよ‥
問題はそこから先、完全にCross sels内部に取り込まれても、私の方が少々都合が悪い」


『誓約のふりでもしろ、そう言いたいのか？』


「私のパートナーになれば、彼女も保護対象‥
どちらが優先事項でしょう？本部は保護を優先なのは間違いなく、だというのに中央は誓約を取りますか？？」


『いや、保護が優先だ‥
なるほど、そういう事か、わざわざ連絡を寄越した理由は‥‥』


「ええ‥
手は早めに打っておくべきだと思いましてね」