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月光の誘惑《番外編》
第1章 月下の桜(一)

……ダメだ。理性が保たない。
このままだと優しくできない。欲望のままに抱いて、犯して、泣かしてしまう。嫌われてしまう。
「翔吾」
「……はい……っ!?」
股間に、柔らかな感触。腰を引いてあかりさんには当たらないようにしていた俺の凶悪な部分を、あろうことか彼女が膝を使って刺激してくる。
幾重もの布が隔てているはずなのに、直接膝で触られているかのように甘やかな熱だ。
「硬いね」
「あかりさんのせいでしょ」
「うん、ごめん。すぐ出したい?」
「……もちろん」
何を、当たり前なことを。すぐにでも、出したい。
ここで寸止めされても、俺は――。
「じゃあ、おいで」
首に回っていた両手が、いつの間にか俺のベルトを外そうとしている。
俺もタイトスカートのファスナーを見つけ出し、引き下げる。しかし、まだストッキングが、ある。さすがにAVみたいに引きちぎったら、あかりさんは怒るだろう。
「着たままするのが好き? それとも、脱がす?」
「どっちも好きだけど、初めてだし、裸のほうがいいかな」
うん、その「初めて」が行為のことじゃないことくらいはわかっている。わかっているけど、ドキッとする。
「ボクサーパンツ派なんだね」
「うん」
「何か運動してる?」
「……サッカーを、小学生から」
腹の周りをペタペタ触りながら、あかりさんは「なるほど、腹筋がすごい」と微笑む。まぁ、一応、割れているけど。

