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第11章 外側と内側

本当に素直にマンションに帰宅し着替えた後、端末に手を掛けようとして、少しだけ思い止まった。



「・・・
プライベート‥か‥‥」


此処からでも、本宅サーバーとエッジ社の情報は見れる‥のだが、あまり気乗りはしない。


半分仕事外に近いのだから、暇のある内に契約する企業を選ぶのが一番ベスト‥
と、頭では思っても、そんな気に慣れなそうだ



『プライベートまで潰して欲しくは無いよ‥‥』



「・・・・・」


父の言葉が木霊する‥


私のプライベート‥久しぶりに飲みにでも出てみようか？



「・・たまには・・・」


最後に１人で飲みに出たのは、１年近く前の話‥
ずっと、そんな暇すら取る事が出来なかった。


ジャケットを掴み外へ‥
流石に今の立場で飲酒運転は不味い、タクシーに乗って目的地近辺へと向かう。



(・・・
１年近く来なければ、少しは変わるものだ‥)


多少変わってしまった街並み、１年とはこうも違うものなのか？



(いや、流動性の物だ‥変わって当たり前なのだろう)


私自身が一番良く知っているというのに‥
本当に今更だ・・・




目的のカウンターバーは、まだ営業を続けていた‥
中は１年前そのまま‥何となくだが安心する。



「・・・
久しぶりですね」


「まあね‥
飛ばされて、別の土地に居たんだよ」


「そうですか、前と同じ物で？」


「ああ・・」


何時ものから、前のに変わったのが、１年の長さを伺えてしまう‥
そこまで余裕が無かったのか私はと。



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