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エリュシオンでささやいて
第8章 Staying Voice

お互いの視線がその欲望で統一されたように思えた瞬間、須王が悩ましい顔で深いキスをしてきて、自分自身を迷いなく蜜口から入れて、内壁を獰猛に擦り上げてきた。
「……ぁああん」
「……んっ」
彼は両手であたしの尻を前後左右に揺らすようにして、抽送させる。
宙に浮かんだままという体勢が不安と同時に、須王に包まれている……親に抱かれた赤子のような安心感が膨れあがる。
だが現実的には、直線状の強い刺激が生じている結合場所が、どこに続くかわからない……不安定な螺旋を抱く快楽の坩堝と化し、お互い安定を求めて相手のキスをねだり、快楽に耐える声を吐き出す。
「柚……あ……すげ……お前、気持ちいい……っ」
蕩けた目を軽く閉じ、幸せそうに紅潮した彼の顔が、時折苦悶の表情をちらつかせて息を乱すにつれ、感じてくれているのだと嬉しく思うあたしの心身は、きゅうきゅうと音をたてて悦ぶ。
粘着質な互いの淫液が絡みついた結合部分。
彼のもので串刺しにされているのに、深く貫かれればより気持ちいいなんて、被虐的にもほどがあるのかもしれない。
「ああ……っ、柚、最高だ。お前は、俺だけの女だ。浮気したら、許さねぇからな。酷ぇお仕置きが待っているからな」
荒い息を繰り返しながら、脅すことも忘れない王様。
「は、はは……お仕置きで……許される……ん……だ……」
「ああ、惚れた……弱みだ。離さねぇから……っ」
「……嬉しい……っ」
「……っ、煽るなって! 暴発させる気か!」
ひとつのリズムに揺れながら、ぬるりとした舌が唇から忍ぶ。
絡め合う舌の感触まで、気持ちよくて、どうにかなってしまいそうだ。
「……好きだ、柚っ。好きだから、抱いて……るんだっ、俺の気持ち……っ、お前に届けっ! 届いてくれっ!」
「……っ」
彼に告白される度に、歓喜に身体が燃え上がる。
半年間セックスが苦しかったから、心を求め合える今はとっても幸せだ。
幸せで、ずっと繋がっていたい。

