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サキュバスちゃんの純情《長編》
第11章 幸福な降伏

とりあえず、年末まで恋人として私をシェアすると決めた二人は、さらに細かいことを確認していく。
「俺と望さんが恋人、健吾ともう二人がセフレ、ね」
「あ、一人減ったの。健吾くんとあと一人がセフレ」
「……ケンゴ?」
「俺の双子の弟」
湯川先生の目が丸くなる。驚いている。私だって、最初は驚いたよ。でも、そうなっちゃったんだもん。
「え、翔吾は双子で、あかりは双子の両方と関係を持っていたわけ?」
「ほんと、妬けるよね」
「スミマセン……」
「いや、うん、なんか、すごい世界だな……兄弟と、かぁ」
「面目ないです……」
湯川先生がめちゃくちゃ引いている。「うわぁ」って顔をしている。双子の穴兄弟とか、あまり聞かない、よね。気持ちはよくわかる。
「前にも言ったけど、俺は、恋人二人、セフレ二人から増やして欲しくない」
「……はい」
「俺はほぼ土日祝日しかあかりには会えないけど、出張も多いから、月に二回くらいしか機会がないんだよね。できれば早めに休みを伝えるから、そこはあかりを独占させてもらえると嬉しい」
「あ、じゃあ、俺は平日中心で。前期と後期の試験期間中とかサッカーの遠征があるときとかは会えないから、そういうときは望さんに任せる。できれば、俺はセフレもなくして欲しいんだよね」
自分のデザートは食べ終えて、湯川先生のデザートにも隣から手を伸ばす。先生は甘いものが苦手だから、羊羹は食べない。ブドウやメロンのフルーツは食べるかな、どうかな。とりあえず、羊羹はもらおう。
「翔吾は案外独占欲強いなぁ」
「望さんもでしょ? あかりのこと、心配になるでしょ?」
「ま、確かに。すぐフラフラするしなぁ」
「本当に、ね」
二人に睨まれている気がする。
え、あ、ごめんなさい。羊羹、金魚とか浮かんでいてかわいいよね。夏っぽくて。涼しげで。どうやって作っているのか興味あるなぁ。
ええと……なんか、私の悪口言ってるでしょ?

