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サキュバスちゃんの純情《長編》
第4章 過日の果実

静かな部屋に、ハァハァと荒い二人の息づかいだけが残る。
しばらく繋がったままでいたけど、先生が柔らかくなった肉棒を引き抜いてしまう。まだ余韻に浸っていたかった……。
「……六時半。朝食まであと一時間か」
「せんせーのばか」
「だってあかりがかわいいから」
そんなの理由になりません! 朝から襲わないでください! ビックリしちゃうでしょ!
先生が横に寝転んだので、私も足を伸ばして横になる。
「おはよう、あかり」
頬についた髪を優しく払って、先生が軽くキスをしてくれる。柔らかい唇が何度も頬や額や唇に押し付けられ、私の心を解していく。
「よく眠れた?」
「眠れたけど、寝起きが、ねぇ」
「朝からするの、初めてじゃないでしょ?」
「ホテルに泊まったときは、そうだけど」
何を驚くことがあるの、と先生は笑う。まぁ、そうだけど……寝起きの後背位はちょっとキツかったです。
「あかり、温泉入ろう」
「やだー動けないー」
「じゃあ、俺先に入ろうっと」
湯川先生は案外温泉が好きなんだなぁと、広い背中とシャープなお尻を見送る。浴衣は布団の上。ボクサーパンツは、どこだ?
全裸で移動していく彼の姿を見るのは初めてで、何だか不思議な感じ。そこで私はようやく、旅行の目的に思い至る。
湯川先生は、私に「自分」を知ってもらいたいのだ。自分のぜんぶ、を。
布団の中に隠れていたボクサーパンツと浴衣と帯を手に取って、私も脱衣所へ向かう。もちろん、全裸で。
今日、先生は私をどこへ連れて行ってくれるのか――正直、わくわくしているのだ。

