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神さま、あと三日間だけ時間をください。
第4章 ♭切ない別れ♭
 その四日後の朝。
 美海は朝食を食べながら、琢郎に言った。
「今日、午後から出かけてこようと思うの」
「どこに行くんだ?」
 さんざん酔っぱらった挙げ句、爆睡した琢郎は翌日は丸一日、二日酔いで悩むことになった。むろん、会社は二日続けて休んだ。
 あれから琢郎も美海もあの日については一切、触れない。琢郎は元々、面子に拘る男なのだ。多分、あのとき―帰宅したばかりの美海に涙をみせたことも、〝棄てないでくれ〟と訴えたことも憶えているに違いない。
 知っていて、知らんふりをしているのだ。だが、あの日のことをここで持ち出して、琢郎の男としての自尊心を傷つけても、何の意味もない。
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