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こじらせてません
第2章 馴致
(いま、メッセ送ったら、引くかなぁ……文字でいいから、なんかききたい)

お気に入りのマンガに、アキラとの関係性の翻案を見出したミサだったが、マンガに描かれているバリキャリ女性がマニュアルたるとは思っていなかった。マンガの中のバリキャリ女性は、決して自分から少年へメッセージを送るようなマネはしない。股間へ少年を導いた時も、傲岸不遜な顔つきでワインを飲んでいた。

いっぽう昨日の自分は、アキラの視界がアイマスクとスカートに塞がれているのをいいことに、とても見せられない顔をしていただろう。

マンガとは創作物だ。
ルポタージュをうたう物もあるが、そのほとんどはフィクションだ。

フィクションは現実味がなければ、のめり込むことはできないが、現実そのものではない。よく、わかっている。

主人公たる彼女たちや、彼女を取り巻く人々が生きる世界は、ミサが生きる世界と類似し、両者の接点は存在するが、同じものではなかった。

主人公も、職場でバリバリと働いているシーンから、夜に少年を踏みつけているシーンまでの間に、電車に乗ったり、ご飯を食べたり、テレビを観てゴロゴロしたりしているだろう。手持ち無沙汰にスマホをいじっているかもしれない。常識的に考えれば、トイレの個室にも入り、用を足しているはずだ。

だが、そこには特筆すべき何ものもないから、次のページをめくれば、冷徹な顔から紅潮した顔へ豹変し、少年を悶えさせていた。彼女の生活、というよりも、生きざまの、切片を覗き見ている。

フィクションとは切片の集積だった。

そして切片をいくらかき集めたところで、自分の生きる世界の鏡、すなわち同量の世界にはなり得なかった。

同量を目指すのならば、特筆すべきことがない彼女の生活のすべてが描かれるべきだが、そんな切片を見せられたって、当然、面白くはない。
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