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第2章 馴致

戦慄したミサは、片脚を伸ばした。
脚の間へつま先を入れて、デニムの中の様子を確かめた。

「……かたい」

神威を足蹴にするなど、冒涜極まりなかったが、これもまた、頽廃的だった。

「はっ、……あぁっ、……ミ、ミサさ、ん……」

ピクンとしている姿を見ると、自分だけが欲情していたわけではないとわかった。嬉しさのあまり、拇指で幹をさする。

「すっごく、かたい……興奮してるの？」
「っ……、あはっ、あ……、は、はい……」
「ちゃんと言って」
「……こ、興奮してます……」

（あっ、あ……）

片脚を伸ばしていたから、股関節は緩んでいた。
はずかしげなアキラの顔を見た瞬間、痙攣して、無許可の分泌が連続した。

ミサは脚を下ろし、アキラを退けた。

「おそい。……自分で脱ぐ」
「ご、こめんなさい」

下腹に我欲が溜まって、わなないていた。

「アキラくんも脱いで、全部」
「……」
「はだか。早くして。こっち見ないでね」

脛まで降りていたタイツを脚から抜き取りつつ言うと、アキラがシャツを脱ぎ始めた。

言いつけのとおり、横身を向けて、こちらを見ないようにしている。
その隙に、もう一度スカートの中へ手を入れて、ショーツを脱いだ。

（うわっ……）

感触でわかっていたが、脚から抜き取ったショーツは、我欲を全うさせる決心をさせるに充分なほど、後ろの方まで濡れていた。

「はやく」
「は、はい」

デニムを脱ごうとしていたアキラは、膝立ちになって、ブリーフごと太ももまで下げた。
神威が弾ね上がる。
横から見ていると、力強さが伝わってきて、彼の中に微塵の失望も軽蔑もないことがよくわかる。

「ここ、来て」

全裸になったことを見届けると、脚を畳み、横座になった前のスペースを指した。

「よつんばい」
「……え、あの」
「よつんばい。ほら、はやく」