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禁断背徳の鎖・絡み交錯する運命の赤糸
第16章 平穏と秘密

ちょっとだけ……
椅子に座り、鍵盤に触れて……
"ポロン…"
ホールの大きさに反響して綺麗な音…
こういうのって、コンクールの時くらいしか聞けないのに、変な感じ。
つい弾いてみたくなる、ぁたしがあまり上手くはないのは十分承知…
でも‥誰も居ないから良いよね??
「・・・・・」
久しぶりのピアノの音…
弾いている曲は簡単な物だけど、凄く良い気分…
ホントにコンクールの舞台で弾いているような………
少しの間だけ…
でも、その間にぁたしを見付けた人が居た。
"パチパチパチパチ……"
「・・・えっ??」
拍手の音に、ぁたしの手が止まる…
ホールの入り口に立っているのは………遠藤さんだ。
「・・ピアノ‥弾けたんですね」
「すみません勝手に……」
「いえ構いませんが…
普段は手付かずですので、たまに使ってあげないと……」
「使って無いんですか?」
「このホール自体、もう数年使用していません…
会長が人を呼ぶ事は無いので‥ですが先代の頃は、たまにですが内輪の集まり程度には使用していました‥勿論ピアノも……」
遠藤さんは、子供の頃から此処に出入りしていた事があるって紀永さんが言ってた。
じゃぁ、その先代の会長の頃にも出入りしていたんだ、だから知ってる。
「なんか‥もったいない」
「ピアノ自体は、きちんと手入れはされています…
それより美紀様な何故此処に??」
「えーと……
暇‥‥だったから……」
屋敷探検なんて、間違っても言えないよ。
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