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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第30章 PM2時の君

☆久遠青音side☆
星野家で条件を聞き入れてから、紗蘭が最後にこの店に出勤する日。
俺は朝から何とも言えない気持ちでいた。
朝に店で回収をしていると、午後なんていっそずっと来なければいいのに。
このまま時が止まってしまえばいいのに。
そんなどうしようもない事を、思ってしまう自分に情けなさを感じてしまう。
星野さんに条件を突き付けられた時、本当はそんな事受け入れずにサラを、さらってしまおうかとさえ思った。
でもそんな事をして、サラと一緒になっても、この先サラと俺は幸せにはなれない気がしたんだ。
誰からも、批判を受けず普通の恋人として生きて行くには、星野さんが出した条件を受け入れる事が、一番賢明だと思えた。
サラとずっと二人幸せに暮らせるなら、二年間の我慢なんて短いかもしれないな…。
サラ、俺は間違っていないよね?
君はこの結論を受け入れてくれているよね?
もう取り消す事なんて出来ないのに、俺は今更そんな心配をしてしまっていた。
結局俺も、強い人間ではないから…。

