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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第19章 入院

病室に帰ると、紗蘭が笑顔で話し掛けてきた。
「涼、仕事で大変なんでしょ?私は病院にいるし、大丈夫だから、仕事を優先して。」
「紗蘭…?本当に大丈夫なのか?」
「うん、家にいるよりは、栄養も取れるだろうし、自分でも病院の方が安心。だから、気にしないで。」
「明後日からしばらく出張になったんだ。本当に大丈夫か?」
「うん!本当に平気だから。」
「ありがとう。すぐに帰ってくるから。」
次の日見舞いに行くと、昨日よりずっと顔色がいい紗蘭がいた。
いつもの元気な紗蘭の笑顔が、少しずつ戻ってきていた。
だから、俺は安心して出張に出掛けた。
帰る頃にはきっと、紗蘭が元気になっていると信じて。
俺が出張に行かず、紗蘭の側にいたなら、紗蘭はまたあの男の所へは行かずに、俺だけの紗蘭でいたはずなのにな。
後で俺はこの出張を、後悔する事になるんだ。
ずっとずっと…。

