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PM2時〜パッカー車の恋人〜
第15章 AM10時の光景

アズとお付き合いを始めてから、半年が過ぎた。
未だに、PM2時のアズとの時間は継続中だ。
忙しい時間をさいて、プライベートでも会ってくれるアズだけど、この時間は私にとって、相変わらず大切な時間だった。
最近では、アズが来るタイミングまでに、うまく仕事をするコツまで覚えた。
だいたいこのくらい仕事して、戻ればアズが来る頃だなぁーと、考えながら仕事ができるようになった。
今日も牛乳を売場に出して、空箱を外に運んでいるタイミングで、アズの乗るパッカー車が、バックで入ってきた。
少し高い運転席から、アズがいつものように、ピョンと降りてきた。
いきなりその場にいた私を見て、アズがあっ!と驚いた声を出した。
その表情があまりにも可愛くて、私がクスクスっと笑うと、アズが優しく微笑む。
「星野さん、こんな所でサボリですか?」
「違いますよー。空箱出しに来たんです!」
「またまたぁー。」
アズとふざけた会話をしていても楽しい。
相変わらず職場では、お互いを星野さん、お兄さんと呼んでいるけど、今はそっちの方が、新鮮になった。
周りに聞かれても、何もない他愛のない会話。
それでも、アズに会って話せるこの時間は、幸せな時間。
私達の関係はまだ、誰にもバレていない。

