この作品は18歳未満閲覧禁止です
女堕ち
最終更新日 2013-11-11 09:31
概要
人の妻であっても、いつまでも“女”でありたいと願う女は“堕ちる”。それが“女堕ち”
タグ
作品説明
仄暗い街灯が数本立つだけの、夜の公園だった。
遼一は腕時計を見た。
9時を少し回っている。
遼一は急に立ち止り、すぐ後ろを歩いている有紀子に向き合った。
タクシーを降りてここまで歩いて来たのだ。
ここからすぐのところに有紀子が住む家がある。
遼一は今が別れ際だと思った。
金曜の夜だった。
先ほどまで二人でクリスマスイルミネーションが輝く街角で食事をしていたことが嘘のように思えるほど、回りの景色は変っている。
もう生活臭漂う住宅地だ。
遠くで犬の鳴く声が聞こえる。
遼一は有紀子に近づき、真剣な眼差しで彼女を見つめた。
「有紀子さん……一度だけでいいですから、有紀子さんを抱きしめさせてくれませんか?」
「え?」
有紀子は驚いた表情で、背の高い遼一を見上げる。
「ここでです。ここで抱きしめるだけです。それ以外は何もしません……」
有紀子は返事をせずにうつむいた。
『だめ』とも言わない。
『いい』とも言わない。
そう、それでいい……。
揺れ動いている証拠だ。
今、有紀子は、“人の妻”であることと“女”であることとの狭間を行ったり来たりしている。
それこそ俺が目を付けた女だ。
遼一は自分のこの女を見る目が正しかったことを確信した。
次にやることはもう決まっていた。
作品公開日 2013-11-05
ランキング
総合 |
4128位
(過去最高 132位)
|
カテゴリ |
230位
(過去最高 6位)
|
レビュー
[評価]
★★★★★
見事なまでに、オンナの核心を細々と突いて非常に頷く箇所が多いですね。。。
世の不倫男子の中には、主人公と同じ目的で、只ひたすらに他人の家庭を破壊してくような、ズルイ輩も多々いるのであろうと感じました。
まだ始まりですが、目が離せなくなりそうな作品で、期待大です。
この作者のほかの作品