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NEW さんの作者ニュース

★完結のご報告★
 お世話になっております。
本日、【空中伽藍】完結致しました。
6日間という短い連載期間でありましたが、お付き合い下さった皆さま、ありがとうございました。

*****

『夢をみるひと』

 夢という言葉には、《睡眠時における夢想》と《未来への展望》という二通りの意味合いがございます。
私が繰り返し描くものは夢想の方になります。

 私が大切にしている写真があります。
20代の母を、桜の樹の下で撮した一枚です。
母は元より美しいひとですが、その一枚はとりわけ美しい。
淡い微笑みを浮かべ、訴えかけるようにこちらを見ているのです。

 写真の中の母は、何かを抱えているように両手を差し出しています。
不思議に思って尋ねると、

『―骨壺を抱いているのよ』

 と、答えました。
日付は私が生まれる一年前。
兄が亡くなって間もなくのことです。

 私は物語の中で、《感情の墓場》という言葉を使いました。
ひとは誰しも、ブラックボックスを抱えて生きているものだと私は感じます。
いわば、透明な骨壺を胸に抱いて生きている。

 骨壺の中には大切な誰かの遺骨だけでなく、ありとあらゆるものが埋まっています。
喜び、哀しみ、怒り、絶望、後ろ暗い過去―
抱えきれないものを壺に閉じ込めて、毎日をどうにかやり過ごしているのです。

 私の母は、【夢をみるひと】そのものです。
焦点の合わない眼差しで、微笑み続けるからこそ美しい。
柔らかな心を剥き出しにしているせいで悪戯に傷付き、誰かを傷付け、それでも兄の遺骨が入った透明な骨壺を決して手離そうとしない。
みちるのモデルは母です。

 みちるは過去に何かしらの罪を犯し、自ら罰を与え続けています。
レビューへのお返事で《原罪》という言葉に触れましたが、ひとは皆罪の子です。
罪を犯さない者などいない。
ですが同時に、その罪すらも赦されているとも思うのです。

→続きます。

[作成日]2016-05-15
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完結
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