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お読みになったものがすべてです2
私はマンソンほど、潔よくはなれません。
批判されれば悲しくもなる。
腹を痛めて産んだ我が子が、可愛くないわけがない。
愛情を抱かないようにしていても、愛着は涌くものです。
つつかれれば血も流れます。
それでも、腹をくくって書いております。
ですから、お読みになったものがすべてなのです。
*****
―《手袋を買いに》というお話をご存知でしょうか。
人間に興味を抱いた仔ぎつねが、人間のこどもに化けて手袋を買いにゆきます。
ところが、変身が未熟な仔ぎつねは、お手てはきつねのまま。
木の葉のお金を渡された雑貨屋の店主は、こどもの正体に気付きます。
それでも、小さな手袋を持たせてやるのです。
母ぎつねは、仔ぎつねに
『人間は怖いものなのよ』
と、言い聞かせます。
それでも仔ぎつねは、
『人間は優しいよ。
坊やのおててがきつねのままでも、手袋をくれたもの』
と、言うのです。
―私が描く物語は、木の葉のお金そのものです。
残酷な出来事がごろごろ転がっていたとしても、人間は儚く強かなもの。
それぞれが、それぞれのやり方で生き抜く強さを持っている。
登場人物たちもまた、各々の方法で困難に立ち向かってゆくことでしょう。
登場人物たちの心には、読者様が寄り添って下さるでしょう。
私が気を揉む必要はありますまい。
私は読者様の心に寄り添いたいと切に願っております。
『やっぱり人間っていいものだなぁ』
と信じて、私は木の葉のお金を差し出し続けてております。
そして、皆さまがはめて下さった手袋は、とても暖かい。
どうもありがとう。こんこん。
櫻井
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