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どうか、私を愛してください。
第31章 包まれた愛

「いや、そういう意味ではなくて」


「え?」


「円花さんとご飯を食べたいなって思って」


「本当に?」


「よかったらなんだが…デートに誘いたいなと。永一のお迎えまでの時間だけど」


「私でいいんですか?」


「美緒のことは、大事に思っているけど…もしかしたら、俺も美緒も、最初から愛していなかったのかもしれない」


「そんなことないでしょ」



「美緒と誠二の2人を見ていると、愛だと思っていた感情は違ったものだったんだろうなと思うんだ。俺は紗英を失った隙間を、美緒は異性を意識した感情を、お互いそれを愛だと思ってしまったんだと思う。だけど愛は......離れても、自分が傷ついても、相手のことを常に思うこと。それを2人から学んだんだ」


「うん……」


「この1年、円花さんのことが忘れられなくて……少ししか会話していないのに、君の明るい笑顔を何度も思い出したよ。また会って君の笑顔がみたいって。それで美緒のドレスのことを頼んだんだ。また会いたくて」


「誠一さん、本当?」


大きい身体をしているのに
耳まで赤くなって照れている誠一さんは
子供のようですごく可愛い。


「行きましょう、ディナー。あ、フレンチとかじゃなくて、私の常連のお店の居酒屋でいいですか?」


「居酒屋?」


「お酒飲みながら、たくさん話して、たくさん笑いたいんです!ゆっくりでいいから......お互いを知っていきましょう」






ゆっくり、私達のペースでいい。


各々の歩幅は全然違うんだけど
お互いを思いやって
私は誠一さんの歩幅に
誠一さんは私の歩幅に
近づけていければそれでいい。


もし、それが苦痛になったら
その時にまた2人で話し合えばいい。


答えが出ない話し合いになるかもしれない。
もしかしたら喧嘩するかもしれない。


だけど、そんな時に
今みたいにお互いが寄り添うあうこと
初心の心を忘れずにいたい。


誠二が美緒さんのことを愛している姿を見て
美緒さんのことを羨ましいと思った。
私も美緒さんみたいに誰かに愛されたいと――


だけど、実際に美緒さんに会って分かったことがある
誰かにあれだけ愛されるってことは
その人も、深く愛しているってこと。


私もこれからは
誠一さんに愛されたい。
だから、誠一さんを
たくさん愛していきたい。


【完】
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