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桜の季節が巡っても
第4章 予兆の冬
「丁寧にくわ~しく…の件は言っていない」
「いいじゃないですか~。もう二度とないかもしれない機会だから、くわ~しく聞きたいんです。さっき先生、自分の何がそんなに知りたいのかっておっしゃってたけれど、みんな興味津々ですよ」
「初耳だ」
「若くて頭が良くてかっこいい。そして独身。女子の間ではかなり評判高いです」
「それが本当ならいいが。残念な事に私には、変な噂話しか聞こえてこない」
眼鏡を外し、前髪を払う。
「寧ろ嫌われてるんじゃないかと思うくらいだ」
脚を組み直し嘆息する秀王に、泉夏は弾かれたように声を張り上げた。
「被害妄想です。先生があんまり完璧過ぎるから、憶測を呼んでるだけです。私は先生の事が…!」
-好き。
あまりのは迫力に、麻衣は驚いて親友を見た。
秀王も同じように、教え子次の言葉を待っている。
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