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桜の季節が巡っても
第3章 恋慕の秋
「こういういう時に、自分に自信持たないでどうすんだよ」
容赦のない龍貴の意見が、泉夏に突き刺さる。
いちいち彼の言う事は当たってる。
尤もだ。
でも、だって-。
一度経験済みの龍貴は、先回りして釘を刺す。
「今日は泣くなよ。もうすぐで家に着くってのに、また涼に何言われるか分からない」
「…泣かないもん」
「ならいいけど」
龍貴は警戒を緩めない。
ガムを噛みつつ。
ふと、思い付いた事を口にする。
「お前が好きな奴って、大学にいるの?」
「えっ」
いきなり核心を迫られ、次が続かない。
泉夏の背を、冷や汗が伝う。
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