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桜の季節が巡っても
第15章 蜜夜の春
「…だ、だから言った」
-やめてって。
これ以上驚いて欲しくなかったから。
こんなに嬉しい夜なのに。
こんなに幸せな時間なのに。
八つ当たりこの上ないのだが-彼に対して理不尽な怒りを覚えてしまう。
「やめてくれないから…もっとなってる。そういうのはいいから…その、次に」
-進んで欲しい。
これまた何を頼んでいるんだと思ったが、赤面しながらも泉夏は伝える。
だがしかし。
かなりの勇気を出してお願いしたにもかかわらず、それは彼によって無情にも切り捨てられた。
「そんな乱暴な方法で、俺は泉夏をどうこうする気はない」
「そんなって…乱暴って…」
言われてる意味が全然分からず、泉夏は続きを催促する。
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