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Love adventure
第66章 Marry Me①

この恋をできるだけ永く、甘いまま続けたくて出した条件だった。
だが、それも変わろうとしているのかも知れない――
稲川はギターを床に置いた。
「――オッケー。皆休憩してくれ。三時間後にまた始める」
スタッフやバンドメンバーが会場から出ていく中、稲川はステージ中央のマイクでアカペラで歌い始めた。
『会ったのは 雨の日
折れた 傘 濡れた眸(ひとみ)
大きな 木の下で目が合った時
寒いですねって 言って
別れたのは 星の夜
止まった時計 割れたカップ
広いベッドの シーツに埋もれ
目を合わせる事もなく
大切だったよって言った』
稲川以外、誰も居なくなった会場のドアがギイと音を立て開き、陽の光と共にあぐりが入って来た。
彼女の長く柔らかい髪が光に透け、ゆらゆらと揺れる。
稲川は歌いながら見惚れた。
『君を 泣かせた僕にはきっと 罰が下される
だから もう そんな顔をしなくていいんだよ
君は いつもの 笑顔に戻って
そう 君は きっと天使
僕の……』
稲川はそこまで歌うとマイクを放り出しステージを飛び降り、あぐりを抱き締めた。
あぐりは稲川の胸に顔を埋めて静かに呟いた。
「……初めて会ったあの日に、私にプレゼントしてくれた……曲……だね」
だが、それも変わろうとしているのかも知れない――
稲川はギターを床に置いた。
「――オッケー。皆休憩してくれ。三時間後にまた始める」
スタッフやバンドメンバーが会場から出ていく中、稲川はステージ中央のマイクでアカペラで歌い始めた。
『会ったのは 雨の日
折れた 傘 濡れた眸(ひとみ)
大きな 木の下で目が合った時
寒いですねって 言って
別れたのは 星の夜
止まった時計 割れたカップ
広いベッドの シーツに埋もれ
目を合わせる事もなく
大切だったよって言った』
稲川以外、誰も居なくなった会場のドアがギイと音を立て開き、陽の光と共にあぐりが入って来た。
彼女の長く柔らかい髪が光に透け、ゆらゆらと揺れる。
稲川は歌いながら見惚れた。
『君を 泣かせた僕にはきっと 罰が下される
だから もう そんな顔をしなくていいんだよ
君は いつもの 笑顔に戻って
そう 君は きっと天使
僕の……』
稲川はそこまで歌うとマイクを放り出しステージを飛び降り、あぐりを抱き締めた。
あぐりは稲川の胸に顔を埋めて静かに呟いた。
「……初めて会ったあの日に、私にプレゼントしてくれた……曲……だね」

