この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
堕女の鬼
第2章 見られていた日常

私は自分の身体の震えを
押さえた
心の震えを押さえた
家族の待つ家に帰る間…
タカオの話を何度も繰り返し
思い出していた
お前を初めて見た時…
こいつなら…
俺を救ってくれる…
そう思ったんだ
年上なのはわかってた
朝から人目も気にせず
汗だくで歩いてたろ
可愛いなって見てた
それからは
朝になるとお前を探してた
お前は気づいてなかった
だろうけど
ほとんど毎日…
お前を見てた
煙草を吸う姿見て
こいつ…
昔は悪かったなって
思って笑ったわ
そんな毎日でな…
今日お前を手に入れた
お前だって
俺を探してたろ…
俺を見てただろ…
俺のものになれよ!
旦那がいてもいいから…
俺のものになれよ…
私はタカオの言葉に惑わされたのかもしれない
冷静に考えれば
タカオの愛情が本物かどうか…
すぐにわかっただろう
私は…
女になりたかっただけ
ときめきが欲しかった…
そんな隙に
タカオが現れてしまった

