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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第4章 嵐の夜
 と、楓の思考はそこで中断された。今、輝く日輪が東の空を黎明の色に染めながら、まさに天高く昇ってゆこうとしている。
「綺麗」
 思わず呟いた彼女の横で、時繁もまた感慨深そうに朝陽を眺めていた。
「結婚しよう、楓」
 楓はハッとして時繁を見た。彼は晴れやかな表情で生まれたばかりの輝く太陽を見ている。
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