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一夜草~ひとよぐさ~【華鏡(はなかがみ)】
第4章 嵐の夜
「楓、お前―」
 時繁が息を呑んだ。楓は一糸纏わぬ姿で白い身体を彼にさらしている。豊かな丈なす黒髪は扇のように夜具の上にひろがっている。その姿は何とも扇情的で男心をそそろってやまない。時繁は傍に散らばっていた小袖を拾い、楓の裸身を覆った。
「お前の身体は今夜はこれ以上は目の毒になりそうだ」
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