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蝶は愛されて夢を見る~私の最愛へ~
第36章 《巻の参―杏子の樹の傍で―》
夢とひと口に言っても、様々な意味合いがある。人が眠りの間に見る夢、その人の思い描く理想や目標という意味での夢。夢売りの夢五郎はやはり、単なる眠りの合間に見る夢だけではなく、彼の夢札を買った人に希望や元気、勇気を与えるのが商売なのかもしれない。夢という名の希望を売り、その人を明るい未来に導く。
だとすれば、夢五郎こそが夢見鳥ではないのか。彼の夢札を買い求めた客に吉兆をもたらす夢見鳥なのかもしれない。