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仔猫と狼
第13章 距離

どんどん沈んでいく思考…。
止まらない自己否定。
私は…
「私は…。」
その時、ピコンと携帯がなった。
メールが届いた音。
もちろんメールの送り主は鳥居さんだ。
了解
帰ってきたのはその2文字だった。
返信が返ってくるとは思っていなかったから驚いた…。
いや…。
そんなのは嘘だ。
私は心のどこかで期待はしていた。
あの時の優しい鳥居さんなら返信をくれるって…。
私は最低だ。
せっかくサブマネージャーの仕事も1日でお休みにされてしまった。
こないだやらせてもらった猫の役だって…。
猫が出てくるまでにあと数回先に収録がある。
結果がわかる前にあらかじめ撮られるのはすごく怖い…。
結局他人の評価が一番怖い。
クッションを抱え込んだままベッドの隅で小さくなった。

