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理想と偽装の向こう側
第16章 懐古
日曜日

「きゃっ!可愛~!レッサーパンダ本当に立ってますね!」


レッサーパンダを指差してはしゃいでる水越さんが、可愛いなぁ~と思いつつ眺める。


念願の日曜日…事前に水越さんから


『もし良ければ…動物園に行きたいんですが…』


メールが来た。


『オッケー!車、出すね!行きたい動物園どこかな?』


『近場で、いいんですけど』


『了解~!調べとくよ(^-^)v』


『ありがとうございます(*^^*)』


そんなやり取りの後、俺は片っ端から動物園をネットで調べた。


近すぎず、遠すぎずな場所で…
なるべく車に乗る時間を作りたかったのが目的だった。


だから、気を使わせない様に水越さんのアパートを経由して行ける場所をチョイスした。


我ながら必死加減が笑えるが、妙にそれが楽しく感じる。


水越さんの胸元には、先日渡したネックレスが光っていた。

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