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氷の華~恋は駆け落ちから始まって~
第5章 彷徨(さまよ)う二つの心

突如として目覚めた想いは、しかしながら、急に湧いてきたものではなく、かなり前から芽生えていたのかもしれない。第一、このことはトンジュも言っていたけれど、大嫌いな男ならば、共に逃げようと言われても絶対に逃げたりしなかった。
逃げようと手を差し出されてトンジュの手を取った時、胸が時めき、彼の手が触れた箇所から得体の知れない妖しい感覚が駆け抜けた。今から思えば、あの未知の感覚こそが男に抱かれたときに女が感じる〝快さ〟に近いものだったのだ。
逃げようと手を差し出されてトンジュの手を取った時、胸が時めき、彼の手が触れた箇所から得体の知れない妖しい感覚が駆け抜けた。今から思えば、あの未知の感覚こそが男に抱かれたときに女が感じる〝快さ〟に近いものだったのだ。

