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~散花~
第48章 散花

――だから、秀瑛さま…もう一度わたしを、抱いてくださいませ。
――ずいぶん積極的だな。
――わたしの役目は世嗣を産むことだと仰ったのは、秀瑛さまじゃないですか! 先日の交わりでは赤ちゃんが来てくれませんでしたが…次こそは、宿してみせます!
――わかったわかった。でもちょっと待てよ…
――何を指折り数えていらっしゃるのですか?
――おまえがこの前兄上の寝所に上がってから、もう半月だろ?
――だめですか?
――侍医どもは、夜伽の日付から、受精・着床の日までも割り出すからな。少しでも整合性が取れないと、おまえが不貞を疑われるぞ。
――え…
――そんなにしょぼくれるな。もう一度、おまえを閨に召し出してくれるよう兄上に頼んでくるから、しばらく待て。
――わかりました。
――兄上の夜伽に呼ばれたら、その翌日に俺がおまえのところへ行ってやる。
――はい。お願いします。

