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~散花~
第44章 傷心と浄化

「玲利さま玲利さま玲利さま~」
玉蘭が涙をぼろぼろ溢している間、玲利はずっと背中をさすっていてくれた。
「玲利さま、ずっとお待ちしていました」
「私もよ。あなたにまた会える日を心待ちにしていたわ」
玲利は肩にかけていた絹の領巾で玉蘭の涙を拭った。
「鶯燕館でのことは、すべて呂栢から聞いたわ。つらい試練を乗り越えて、よくここまで登り詰めたわね」
頬を玲利の両掌に包まれる。
玉蘭は玲利の深い瞳を見つめた。
「あなたは本当にがんばったわ、いい子ね。そして、ありがとう」

