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~散花~
第32章  朝見

重々しい衣擦れの音。玉座に腰をおろす気配がする。

「みな、大儀である」

朝だというのに、張りのある透き通る声だ。

一瞬で心臓を鷲掴みにされたような寒慄が走った。

「……………………」

「……………………」

「……………………」

しーん……。

この沈黙はなんだろう。

伏せていた目で周囲を窺い、

「――!?」

玉蘭は胆を潰した。

数百本の視線が、矢のように玉蘭に注がれていたのだ。




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