この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
~散花~
第29章 入内

「そして側妃の皆さまにはそれぞれ、御付きとして内侍三人までが公費で賄われることになっております……が、」
それに加えて、第一夫人から第三夫人には典侍を一人、付けることが許されているのだという。
話が見えてきた。
「わかったわ。玲利さまには、わたしの典侍になってもらうということね」
後宮の上級女官。
ひと華咲かせたいと言っていた玲利に、これで少しは恩返しができるだろうか。
(それとも、もっと上でなければ意味ないでしょ…なんて叱られてしまうかな…)
玲利の反応が楽しみで、玉蘭はわくわくした。
「ではさっそく、書類をご用意いたします。すぐに戻りますゆえ、御前失礼いたします」
「ええ、ありがとう呂栢」

