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コンプレックス
第9章 弟の元カノ

(も、限界……)
時計を見れば、琉の定時まであと2時間ある。
(2時間…は、無理だ……耐えられない)
縋るように掴んだ携帯。
『何?』
そこから聞こえた琉の声に、愛里咲は安堵から身体の力が抜けていくのがわかった。
「仕事中、ごめん……調子…悪くて……定時…で、帰れそう?」
身体がベッドに沈み込んでいくのか、
意識が闇に沈み込んでいくのか、
1ミリも身体を動かすことが出来そうにない。
愛里咲はやっとの事で口を動かし、言葉を紡いだ。
『ちょっと待って。つーか掛け直す』
琉の外野が賑やかい。
会社の外に出ているのかもしれない。
通話の終わりを知らせる無機質な不通音を遠くに聞きながら、沈んで行く愛里咲の意識の端っこでそんな風に思った。
時計を見れば、琉の定時まであと2時間ある。
(2時間…は、無理だ……耐えられない)
縋るように掴んだ携帯。
『何?』
そこから聞こえた琉の声に、愛里咲は安堵から身体の力が抜けていくのがわかった。
「仕事中、ごめん……調子…悪くて……定時…で、帰れそう?」
身体がベッドに沈み込んでいくのか、
意識が闇に沈み込んでいくのか、
1ミリも身体を動かすことが出来そうにない。
愛里咲はやっとの事で口を動かし、言葉を紡いだ。
『ちょっと待って。つーか掛け直す』
琉の外野が賑やかい。
会社の外に出ているのかもしれない。
通話の終わりを知らせる無機質な不通音を遠くに聞きながら、沈んで行く愛里咲の意識の端っこでそんな風に思った。

