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暗闇セックスにはまった体育教師
第1章 体育教師の秘密
 引戸が開いたら最後──。そこからは、顔もわからない男とセックスをするのだ。
 ハアハア、ハアハアという吐息に合わせて、小ぶりな乳房も上下に蠢く。心なしか、無毛の股の間から発せられる牝の匂いもきつくなっていた。
 ガラッ……ガラッ……と、立て付けの悪い引戸がゆっくり開かれた。
「あ……」
 男がぽつりと呟いた。いままさに全裸で待機している女性を目の当たりにしたのだろう。一瞬聞こえた声から、絵理香は同年代の男ではないかと予想した。チャラけた若さもなければ、中年の落ち着きや貫禄も感じられなかった。三十代か、四十代ではないだろうか。さらに、ここに来るまでの忍び足的な足音や、なかなか部屋に入ってこなかったこと、部屋に入ったとたん、「あ……」と声を漏らしたこと。それらの情報からして、今夜の男はけっこう小心者で、こうした危険な遊びに慣れていないのではないかと踏んだ。
 だからといってひとつも安心はできない。そもそもいま考察したことだって、絵理香のただの勘でしかない。実際は生徒ぐらいの若い男子かもしれないし、自分の父親よりも年上の中年男性かもしれない。
 布団が沈み込んだ。男が畳を踏みしめて、こちらに近づいてきていた。
「アァ……」
 今度は絵理香がたまらず声を漏らした。恐怖に比例して、インモラルな期待も高まる。
 男がどこから責めてくるのかもわからない。恋人のようにキスからしてくる男もいれば、乳房にむしゃぶりついてくる男もいる。のっけから絵理香の両脚を広げて、挿入してきた男もいる。すべては今夜の男次第なのだ。
「ああ……ハア、ハア、ハア」
 絵理香は荒ぶる吐息を抑えられなくなっていた。
 視界を遮られた状態で、なにをされるかわからないスリルがたまらない。
 絵理香は祈るように組んでいた両手をほどいた。
 それから万歳をするように両手を上に伸ばした。無毛の腋窩と乳房を大いに晒した。
 会話は厳禁だ。だから、好きにしてください、と態度で示すことで男も大胆になるのは、これまでの経験則だ。
 ふう、ふうと、男の荒い鼻息も聞こえてきた。
 男の欲情のスイッチが完全に入ったようだ。
 あぁ、怖い!
 自分から誘っておきながら、絵理香は極限の恐怖を楽しむ。この胸のドキドキが恐怖からくるものなのか、性的な好奇心によるものなのかは、もうわからなくなっている。
 頭上でベルトを外す音が聞こえた。
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