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暗闇セックスにはまった体育教師
第1章 体育教師の秘密
 絵理香はきびきびと言い放つ。筋金入りの体育会系女子である絵理香は、少しでも生徒が気を緩めていると容赦なく叱りつけ、体罰も当たり前に行う。
 これがまた変に似合うのだ。
 日焼けした褐色肌でメイクもほとんどしていないのに、ポニーテールの似合う南国系の彫りの深いルックスで、天然の美人なのだが、女性的なほんわかとした雰囲気は一切ない。不良と呼ばれる男子生徒でさえ、絵理香のきりっとした濃い眉とエキゾチックな大きな瞳で睨みつけられると、たじろいでしまうほどだ。むろん、赴任してきた当初はその美貌だけで、男性教師や男子生徒のあいだではマドンナ的存在となっていたが、絵理香の怖さが知れ渡ったいまは誰も馴れ馴れしく近寄ってこない。
 午後五時を告げるチャイムが鳴った。
 絵理香は舌打ちしそうになった。本当はこのまま練習を続けたいが、部員には学習塾に通っている子も多い。先日も部活の時間を延長したことで、保護者から苦情が出たばかりだ。
 それに……。
 絵理香も今夜は用事があった。今夜のことがちらついたとたん、絵理香は体が熱くなった。
 いけない。私こそ部活中は集中しないと。
「鷲見先生、もう時間です」
 五十代の女性教師が声をかけてきた。
「ええ。わかっています」
 絵理香はきりっとした表情に戻り、全員集合のホイッスルを吹いた。
 部員たちが猛ダッシュで集まったところで、
「今日はここまで。明日は土曜日やから、部活も休みやけど、各自、自主トレをしておくように」
 笑顔一つ見せず、言い放った。
「そうね。みんな、頑張ってね」
 続けて、五十代の女性教師が柔らかい口調で言った。
 尻を叩かれた女子部員二人は、ばつが悪そうに最後まで俯いていた。



 清衆荘・二〇五号室。
 二階の一番奥にあるこの部屋は、右隣に共同便所があるため、台所の窓を開けていると、時々、臭う。だから夏場でも窓は開けられない──という理由ではなかった。
 窓を開けると、外に声が漏れてしまうからだ。遠藤からも窓は開けないで、と言われており、絵理香は今夜も蒸し暑い六畳間でひとり待機していた。
 この部屋の間取りは二畳ほどの台所と、六畳間のみ。台所と六畳間のあいだには、すりガラスの引戸がある。窓は台所にしかなく、六畳間は四方が土壁に囲まれており、初めてこの部屋を訪れたときは部屋にこもった湿気やカビ臭さに顔をしかめた。
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