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素敵な笑顔
第5章 音 おばあちゃんのそばのひと
おばあちゃんのそばにいるひとに、
わたしが抱いていた印象は結構悪かった。
始めのころ、そのひとの性別は意識していなかった。
男のひとだと意識したのは、
わたしが大人になったから。
おばあちゃんのそばにいるのは男のひとで、
たぶん、いや、絶対にすけべだ。
変態って言ってもいいくらいに。
例えば、おばあちゃんがトイレに立つ。
すると、そのひとも一緒にいなくなる。
しれっと、当然のように。
そしてしばらくしておばあちゃんについて戻ってくるそいつは、
必ず少し前屈みになっている。
前屈みになっている意味を理解したのが、
わたしが少し大人になったって証拠だ。
トイレを覗き見するなんて最低だ。
おばあちゃんは、たぶん気づいていない。
教えてあげるべきなのかもしれないけど、
気味悪がられそうで言い出せなかった。
霊が憑いているってことと、
わたしに霊が見えてるってこと、両方。

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