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美香・透明な婚姻
第8章 夏が往く、君を忘れない
選んだ部屋は少し手狭だったが、中央には妖艶なキングサイズのベッドが鎮座し、鏡張りの天井がその白いシーツを怪しく映し出している。ガラス張りのバスルームにはジャグジーが備え付けられており、ベッドルームからその内部が隠すことなく見渡せる、淫らな構造になっていた。

彼が浴槽に湯を溜め始める。広々とした間口の割に底が浅いため、みるみるうちに豊かな湯が満ちていき、お湯が満杯になったことを知らせるブザーが部屋に響いた。

「さあ、お風呂に入るわね。広いお風呂で足を伸ばして、ゆったりしたかったの」

私は一枚ずつ衣服を脱ぎ捨て、全裸になって湯面に触れた。私の仕草の一つひとつ、肌が露わになるたびに、彼の理性が目減りしていくのが視線で痛いほど伝わってくる。 浴槽へ身を沈めると、柔らかな水音が静かな部屋に木霊した。

彼はガラス越しに、食い入るように私を見つめている。 濡れた肌を伝う水滴が、私の白い首筋から、豊かな胸元へとゆっくり滑り落ちていく。私は彼の熱い視線を全身に浴びながら、艶やかな微笑を浮かべ、湯気の向こうで静かに瞳を細めた。

湯気に包まれた浴室の奥で、私はゆっくりと髪をかき上げた。真珠の髪留めで黒髪をまとめる仕草を、彼はベッドに身を預けたまま、まるで美しい映画のワンシーンを貪るように見つめ続けている。

露わになった白いうなじを雫がゆっくりと伝い、しなやかな身体の動きに合わせて私の乳房が微かに揺れる。湯面から立ち上る白い靄の向こうで、私はゆっくりと彼を振り返った。濡れた睫毛の奥に浮かぶ私の視線は、どこか挑発的で、それでいてひどく無防備だった。

「秀くんも、入ってきたら?」

彼の欲望を見透かしながら、私は薄く唇を緩めた。

「義姉さん、僕も入ります」

湯気の満ちる浴室へ彼が足を踏み入れると、むっとした熱気が私たちを包み込んだ。軽くシャワーで身体を流した彼は、そのまま私を背後から包み込むようにして、温かい湯の中へと身を沈めてきた。




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