この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
想いあふれて
第4章 遠い波音、溶け合う吐息
自然と「りっちゃん」と呼んでカウンター席に呼び寄せると、カレーを小皿によそって、その上にライムの果汁を絞って落とした。
「ああ。カレーの天才は、俺の方だった」
ライム果汁入りのカレーを味見し、満足そうにうなずく信忠を見て、りつかは思わず笑った。
「ほら、りっちゃんも、口開けてみな」
信忠が言って、スプーンを持った手をりつかの方に伸ばしてくる。
すっきりとしたライムが誘うように香り、遠く外国にいるような、少し寂しいような、それでいてわくわくするような、そんな気分が胸をかすめた。
りつかは口を開けた。
信忠に合わせて平静を装ってはいるものの、突然やってきた、まるで新婚のような「あーん」のシチュエーションを、意識せずにやってのけるほどりつかは器用ではなかった。
やけに心臓がうるさい。
スプーンの先がりつかの唇を割って挿し入れられたとき、思い過ごしだろうか、信忠の濡れた視線を、唇に感じた気がした。
「ああ。カレーの天才は、俺の方だった」
ライム果汁入りのカレーを味見し、満足そうにうなずく信忠を見て、りつかは思わず笑った。
「ほら、りっちゃんも、口開けてみな」
信忠が言って、スプーンを持った手をりつかの方に伸ばしてくる。
すっきりとしたライムが誘うように香り、遠く外国にいるような、少し寂しいような、それでいてわくわくするような、そんな気分が胸をかすめた。
りつかは口を開けた。
信忠に合わせて平静を装ってはいるものの、突然やってきた、まるで新婚のような「あーん」のシチュエーションを、意識せずにやってのけるほどりつかは器用ではなかった。
やけに心臓がうるさい。
スプーンの先がりつかの唇を割って挿し入れられたとき、思い過ごしだろうか、信忠の濡れた視線を、唇に感じた気がした。

作品検索
しおりをはさむ
姉妹サイトリンク 開く


